「うぅ―寒い…寒いよ~」


1月の寒空の下
グラウンドで体育とか

ほんとにあり得ない。


ジャージとか
全然、防寒着じゃないし!



グラウンドの隅には
積もった雪。


田舎だから雪もふるんだ。



ジャージの下に
みんなこっそり

セーターも着込んでるけど

効かない…


この寒さ、あり得ないよ。



縮こまる生徒に

ジャンバーを羽織った
体育の先生が言う。


「お前らぁっ
寒いなら走れ~!」


ピ――――!

集合のホイッスルが
鳴らされる。


生徒からブーイング。



「寒くて足動かへ~んっ」


肩を寄せて暖めあっていた

親友の千晴が小声で吠える。


「ほんとだよっ
マラソンとかサボろうよっ」


サボろう、サボろう

サボろう!



そんな私の提案に
千晴が渇を入れる。


「あか~んっ
コトちゃんは基本サボりすぎ」


「えぇえ~!?」


足動かんのちゃうんかい?



抵抗するも
千晴に腕を組まれ

集合場所へ引きずられる。


「やだやだやだ~」



「ほんと軟弱やなぁ」


だだっ子みたいな私を
笑う千晴。