放課後


千晴の提案で
こっそりバスケ部を
視察しにいくことになった。




すっごい見たい。

先生のバスケするとこ。



でも…

『恥ずかしいよ~見つかったら』


戸惑う私の気持ちを
千晴の笑顔が押してくれる。


『大丈夫やって!
友だちに会いにきたみたいな顔すれば。うちもいるし!』


千晴は私のお尻を
ポンとたたいて歩き出す。




千晴は
高校に入っていちばん最初に
出来た友達。


優しくて
マジメな千晴は
お姉ちゃんみたい。


こんなお姉ちゃん
欲しかった。


千晴も
琴ちゃんみたいな妹
欲しかったって言ってくれた。


私と千晴は
すぐに親友になった。



千晴が
琴ちゃんは親友やって
言ってくれたんだ。


すっごい嬉しかった。





人付き合いが苦手な私。


付き合いは
深く狭くが好き。


友だちは
たくさんいるけど
本当の友だちは数人。


親友だ、とか
大好き、とか

言われると

本当に嬉しい。





体育館に向かいながら
ひよ子の話をした。


千晴は
目をきらきらさせた。


『めっちゃ良かったやん!
うちなんかいつも普通のコメントやで―』



関西出身の
ゆるい方言がすき。