『ことみ氏すごいな…』


ポツリと言う先生の声に
ハッとして先生を見た。


先生は寝たままの姿勢で私を見ていた。


『歌声…きれいだな』


先生の言葉に耳が熱くなる。


『あ…ありがとうございます』


先生はゆっくり体を起こした。


『うん。先生こそありがとう』


『え?』


『聴かせてくれて。まじで感動した。』


『…………』


私…

いま絶対に湯気が出てる…



そんな私の頭を軽くぽんとして


『よし、そろそろ帰るか?』


眼鏡をかけて
かわいい笑顔を見せる先生。


寂しいけど…

これ以上はわがままだよね…


私は小さく頷いた。