私の手首を見て、吐きダコを見て 彼は泣きそうな顔をした。 そして、丁寧に私の頭を撫でるのだ。髪の隙間に指を入れて、とかすように。 私は、彼を手放すことなど出来ない。 私は、私を手放すことの方がよっぽど簡単なのではないか、と思った。