「瑠璃、おまえ、その手首……」

「なんでもないの」

「なんでもないことは、ないだろう」



どうして、貴方は、そんな優しい目で、私を見るの。
まるで、傷付けることを恐れるような。
こんなの、生殺しだ。


「大丈夫よ、相澤さん」


私は笑う。完璧に。


彼は私を抱きしめた。
強く。だけど潰さない程度に。

「心配なんだよ」