新撰組の姫君 〜もしもの世界・斎藤一編〜

「…斎藤だ」

「あ、はい。」

兄様が慌てて返事をするとゆっくりと襖が開く。

現れた人はなんというか、男前な方だ。それ以外の表し片が解らない。

「奏。此方は「…名乗ること位自分でできる。」

「はっ。失礼致しました。」

「…新撰組3番隊隊長斎藤一だ。」

「十六夜奏と申します。兄様がお世話になっております。」

3番隊隊長と言うことは兄様の上の方だろう。

「奏は斎藤隊長に助けて頂いたのだ。しっかりとお礼を申し上げなさい。」

この方に…

「お助け頂きありがとうございます。お礼が遅くなって申し訳ありません。」

「…気にしていない、そんなことより体調はどうだ?」

優しい方だ。

「痛みとだるさは有りますが平気です。お心遣い感謝します。」

「…そうか」