大きさには差があるものの力が拮抗している二人。

といっても、左之君が突きばかり繰りだすからというのもある。

そうか。左之君は槍使いと言っていたっけ。

平ちゃんは小柄な所をいかして背後に廻り込んだりしている。

先程の二人が『典型的な剣道』だというなら、この二人は『自由すぎる剣道』だろう。

「…剣道が好きなのだな」

「え?」

後ろからやってきた一君に声をかけられる。

「…先程から熱心に見ているから思ったのだが…違ったか?」

「いえ。大好きです。」

「だろうね。さっきから奏ちゃん、目が輝いてるもん。」

同じく後ろからやってきた総君が笑いながら話に入ってくる。

「やっぱり…変ですかね?女が剣を持つなんて…」

「うぅん。どうだろうね。僕は悪いことじゃないと思うけど。」

「…好きなモノは好き。それでいいんじゃないか?」

「好きなモノは好き。…そうだよね。」