まぁいいや
転校しまくってるから、クラスメイトの前で挨拶なんて正直、
慣れてる。
それに、どうせまた引っ越すだろうから
友達作りとか、愛想振りまく必要もないだろう。
「じゃあ、教室に入るけど塚原くん大丈夫?」
佐賀先生は俺の肩に軽く手を置いた。
「大丈夫です」
俺は落ち着いた声で答える。
「いやぁ、なんだかこっちまで緊張してきたわぁ」
なんて言って、胸に手を当て深呼吸する先生。
なぜか俺より緊張してるし…。
「いい生徒ばかりだからすぐ慣れると思うわ」
そう言って、佐賀先生は笑った。
「そうですか」
適当に返事をかえした。