空が高いなぁと思う。

空は青地球は青。内側も外側も青なのか。そいつは人の眼でとらえたものでなんてゆうか狭いご了見なわけで。

でもまぁ私人間だしそれで全然構わないぜばーか。みたいな。

てゆうか。


財布も無いケータイも無いポケットの中には三十円と頭が半分けずれてるキューピーさんのキー無しキーホルダー。

壊滅的。

自暴自棄な若者を気取るつもりはありません。空が高い、とか冒頭で気取ってごめんなさい、空とかどうでもいいよね地球が青いとか。きっと私生きてるうちに地球から出ることないから生の地球を見ることなんかないしさあはは

足元にはオザナリなコンクリート。右側に土手、川、左側についさっき天使が降り立ったバス停。

…ちくしょうツッコミもいねー。

遠くに空、山、道、あ。バス。

がらがらの南国交通バスから降り立った、天使様でも神様でもなく三日前とまるで同じ顔の男。ラスボス。

私を見つけてにやりと笑う。
「忘れもの」
長い人差し指にぶらさがっているのは私がキューピーさんからひき千切って投げ捨てた銀色の。

「死んじゃえ」
奪い取る。川に投げる。歩き出す。ほっといて欲しい。じゃねーと本気で闘うぞレベル5くらいだけど。

「ゆきちゃん」
名前を呼ぶな。てかついてくんな。
「合鍵を捨てるということは、同棲を許すということか」
振り返る。ケリをいれる。この男は馬鹿か。
「いたい」
「いたくしたの」
よく知る馬鹿男は涙目のまま私にキスを。



ええ、甘受します。

あなたがこの三日間私を探して奔走している様子が目に見えるようなので。

愉快。





短い家出に終止符を、





エンド。