夏音ちゃんは情報屋でもある。
でも…、早畝刀哉って誰??


「あ~、俺も知ってる。ここら辺で1番強いんだろ??」


え??
陽君まで知ってるのー?!
知らないの私だけ?!


「く、詳しく教えてよぉ!!」

「たった1人で、10人相手に戦って勝ったらしいよ!!」


す、すごい!!
10人対1人って!
でも怖そう…。
関わらない様にしよ…。


「怖そうだから私はダメだぁ…。」

「でもイケメンらしいよ??」

「絶対に俺の方がイケメンだって♪」


陽君は自信満々に言う。
おかしくて夏音ちゃんと吹き出しちゃった(笑)

《ガラッ…》

教室の戸が開いた瞬間、騒がしかった教室が一瞬で静かになった。
私も夏音ちゃんも、戸の方を向いた。
そこにいたのは…。


「早畝刀哉だ…。」


え?!あの人が早畝君!!?
イメージは金髪でピアスとかつけてるかと思ったのに、見た目スッゴくまじめそう…。


「あんな人だったんだぁ…。」

「沙希、惚れちゃった??」


もぅ!!夏音ちゃんてばニヤけちゃって…。
カッコいいとは思うけど、惚れるってほどではないなぁー…。


「惚れてないよ!!」

「ふーん…。つまんなぁい。でもさ、陽は気をつけときなさいよ。」


え??なんで陽君が気をつけるの??


「…うっせ。わかってるって…。」