声の主は簡単に見つかった。
茂みの中をガサガサと頭を突っ込み探しているようだ。
後ろ姿から女だということはわかったが、それにしても探し方が女とは思えない格好だ。
男は呆れながら声をかけた。

「この生き物は君のか?」

急に背後から声をかけられて驚いているようでびくっと背中が強張った後に恐る恐るこちらに振り返った。

女…というか、少女の格好は髪はボサボサ、全体的に伸びすぎた髪のせいで顔の表情は読み取れないし、着ている服はだぼっとした足首まであるワンピースがところどころ破れている。ただ、彼女のひどい格好なのに髪と所々から見える肌の色が透けるような白さに、一瞬天使かと思った。

男がそんなことを思っていると

「ザハルー!!!」

男が少女の格好に驚いていると、抱えていた生き物に勢い良く飛びついてきた。
そして、生き物に頬ずりをして生き物に「ごめんね。ごめんね。」と目を潤ませながら謝っていた。
完全に男は無視をさせていた。

「ザハルごめんねぇ。」
何回目かわからない謝罪の言葉をかけている、そしてザハルと呼ばれる生き物ははちょっと迷惑そうな顔をしていた。