『いただきます。』
二人で合掌して、食べ始めるとニクスは黙々と食べ続ける。
こうやって誰かと食事を一緒に食べるのなんて、お祖母さま以外に初めて。
お口に合ったかな?とか、もしかしてまずい?とか、いろいろ気になって相手の様子を窺いながら食べるけど・・・何にも言ってくれない。

気になって気になって仕方ないので、もう自分で聞いてみることに
「あの、お口にあいますか?」

「うん?うまいよ。」
ミランダに声をかけられて、一瞬手は止まったけれどすぐにまた食べ始める。

二クスの答えにホッとしたつかの間、「おかわり」と皿がミランダの目の前に差し出される。
食べ始めて5分も経っていないというのにもうおかわり・・・そんなにお腹へってたのかな。言われるまま、よそう。

そんなことを5回ぐらい繰り返すと、あっという間に鍋もすっからかんに。ちょっと多めに朝までと思って作ったのに・・・

ニクスの食欲はミランダの予想を超えていた。

この家にある食べ物全て食べちゃう勢いだったけど、大分お腹が満たされたのか「ごちそうさま。」と言ってこの嵐は去った。
男の人はこんなに食べるのね。

「あ~食った食った。今まで食べたことないもんばっかだったけどうまかった。」

「お口に合ってよかっです。」
ミランダは口許しか見えないが微笑んでいた。