男の口が裂けていないことを確認して少し安心したのかさっきよりも落ち着き、話を聞こうと男は少女を椅子に座らせ男は正面に座った。

「まず、自己紹介をしよう。俺はニクス、お譲ちゃんのお名前は?」

俯いたまま、じっと両手をにぎり見つめたまま、小さな声で

「・・・ミランダ。」

「ミランダ、かわいい名前だね。」

「・・・」

俯き加減だったのがさらに俯き、ニクスからはほとんどミランダのボサボサな髪しか見えない。

「俺は魔女を探してるんだ。ミランダは魔女がどこにいるか知ってる?」

ニクスの言葉にびくっとなりながら、首を勢い良く左右に振り否定する。
しかし、二クスは確信したミランダが魔女と何か関係していることを、誰が見たって嘘をついていることがバレバレな挙動不審ぶり。

「そっかぁ、ミランダは魔女がどこにいるか知らないのかぁ。それにしてもミランダの家は本がたくさんあるねぇ、あれ?この本悪魔召喚についてってかいてある。あっちには魔術の基礎、なんだか悪魔とか魔術とか物騒なこと書いておる本ばっかりだね。あれ?どうしたのミランダ震えてるよ?大丈夫?」

二クスは白々しい演技をして精神的にミランダを追い詰めていく。