男が家の中に入ると、薬草の入ったビンが並び、本がいたるところに散乱し、積み上げられて埃がたまっていた。
すごいな。いつか倒れてきそうだ・・・それに汚い。
近くにあった本を手に取ってみると、今では使われていない古い言葉がつづられていた。
男は完璧に読めるわけではないが、何のことが書かれているのかはところどころに描かれている絵でわかった。
ここにある本は植物や薬草、あと悪魔についての本のようだ。
ぱらぱら本をめくっていると、ドアが開く音がした。
何も気づいていない少女は家に入ってローブを脱ぐと、男の存在に気づかない少女に声をかけた。
「鍵があいていたので、お邪魔しているよ。」
男に声をかけられ、ようやく気がついた少女は、驚いて男のことを見ると、持っていた籠を落とし摘んできたのか、野草が床に散乱した、籠が落ちた音で少女は我にかえったのか
逃げようとドアに一直線に向かって行くのを、男は少女の右腕を掴む。
「なんで逃げるの。」
「・・・」
「勝手にお邪魔してたのはちょっと失礼だったけど、俺は怪しいもんじゃないしお譲ちゃんにちょっと聞きたいことがあったからさ。」
掴んでいる白く男が少しでも力を入れれば折れてしまいそうな腕から少女が震えているのが感じとれた。
さっきとは違い、小さな子をなだめるように
「俺は別にお譲ちゃんを捕って食ったりしないよ。そんなに俺の口ってデカイか?」
ちょっと冗談を言って少女の緊張をほぐす。
少女は俯いていた顔を上げた。相変わらずボサボサで顔は見えないけど。
男の言葉を確認するように男の口をまじまじと見ているようだ。

