置いていた鞄を掴むと膝の上に置きチラっと男を見た。 男は覗きこむように私を見ている。 「あの…」 私が口を開くと遮るように話した 『気にしないで?なんもしないし!ちょっとここで人待ってんだ。すぐ行くから。』 「そーですか。」 ここですぐ移動してもかんじ悪いし、かといって知らない人とこんな近くにいるのも… 自分の中で葛藤したが、何故か足は動かずその場にとどまった。