「なんで寛貴に聞くの?寛貴に前から仲いいって嘘ついて…」
涼平は口の端を吊り上げニッと妖しく笑うとベンチに腰かけた
さっきまでの少年のような屈託ない様子は今はどこにも見当たらない
『仲良くなりたいのはホントだよ。寛貴はすぐ信じてくれるから扱いやすい…。
それにこれくらいの嘘なら咲ちゃんは隠し通せるっしょ?馬鹿正直に俺が嘘ついて聞いたなんて寛貴に言わない…』
見透かされていたことに腹がたった
「なにそれ…私嘘簡単につける女に見えるの?」
冷静を装うように…自嘲気味に話す私に涼平は手を横に振った
『悪い意味で言ったんじゃないよ。人を傷つけるなら嘘つくほうがいいって思える人だと思ったんだ。』
褒められてる気がしない
涼平の言葉は私に向けられてるものではないように感じられた
「もし…馬鹿正直に話してたら?」
『まずないと思うけど…そしたらまたうまく嘘ついて寛貴を丸め込むよ。』
涼平の言葉に刺を感じた
「なんで?寛貴は友達なんでしょ?嘘ついてもいつかばれる。」
