季節はすっかり春。 図書館から出た私は暖かい風に少し浮足立つ気分だった。 私は土手を通り目的地まで歩を進める。 土手の両サイドに桜の木が並んで、桜が咲くこの季節はこんな田舎でも人で賑わう。 桜の花のトンネルをくぐり、あと5メートル… 土手を降りる階段が見えた。 私はその階段下にある白いベンチが気に入っていた。 階段を降りると土手とは違い人はいない… はずだった。