「何でもないよ」
「そう?」

そう言って彼女はドーナツを食べる事を再開した。



それにしても、奴等は一体なんなんだろうか。

ドーナツだって、レンズやらがはまっている訳でもないのに。



僕が色々と考えてる間にも、
隣に居る彼女はドーナツを食べ続けている。

もしかすると、僕にしか見えないんじゃなくて
誰もドーナツの穴を覗かないだけか?



……それはない。
誰だって1度くらい覗いてみたりするだろう。
そうに違いないはずだ。


やっぱり、僕にしか見えないのか?