ガキと一緒にいる間も、別れて自分の部屋に戻るまでもずっと、混乱しながらイライラしていた。


 バタンと部屋の扉を閉めてから、俺はテーブルの側にあるクッションを蹴飛ばして唸った。



 たくっ!!

 いったい何なんだ

 あの生意気なガキは!



 人がいない間に勝手に入って来てて……。


 誰かと思えば『月天使』だとかなんだとか

 訳の分からないことばかり言ってきて…!


 母さんには変な力っを使って勝手に人の家に住み着く話しにまでして!

 
 俺の周りにいる奴らにも、母さんにかけた力と似たものを使っただって!?


 おまけになにがなんでもずっと俺の傍に居続けるって言い出して……。


 ヘンな力が使えるってのは充分わかったけど、話をただ聞けば変人にしか感じられないぞ、マジで!!



 そもそも、なにが俺の心を助けるためだ!?


 あんなに人の親の記憶だかなんだか、知らないものをいじって変えて

 勝手なことをあれだこれだと決めて

 勝手に物置を自分の部屋をに作り変えて!



 こっちのストレスを増やしているだけじゃないか!!



 クソ!!



 頭がグルグルして、まだ訳がわからないっつーの!!



 俺は月菜とか名乗ってたガキと話してる間、ずっとイライラしてた。



 モヤモヤが収まらないまま、ベッドにドサッと腰を下ろして

 両手を髪に突っ込んでグシャグシャさせるほど悩まされた。



 つーか、これは悩んで収まる問題じゃないって!!

 普通、信じるか?

 こんなこと!

 自分の頭がおかしくなったのか……、正直不安にもなってくる……。



 ……けど、頭痛くなるこの大きな問題を、一人で考えたところで何ひとつだって解決しなかった。


 だから俺も電気を消し、今日は寝ることにした。