近所迷惑にならない様に足音を忍ばせ、 潮風で赤茶けた鉄の階段を悠寛(ゆっくり)とした足取りで登ると、 部屋の向かいにある酒屋の錆びれた蛍光灯看板が、 僕の部屋の玄関先を、浅い闇と深い闇のコントラストに分けていた。