「次、生物室だよねー、生物室ってどこだっけ??」
「3号棟の2回!もぅ、ユズもいい加減覚えなさいよねー、もうすぐ予鈴なっちゃうよ!急ごう!」
「えへへ、はーい。ごめんなさーい」
なんて話を歌穂としながら少し急ぎぎみに歩いていると…
「ユズーっ!!!おーい!」
「え?……康輝くん!?」
声がした方を見てみると、康輝くんがあたしの方へ小走りで近づいてきた。
その様子を見ていた歌穂ちゃんは、康輝くんに見えないように、少しだけニヤッと笑って…
「ユズ、あたし先行ってるね。生物室、ここのつきあたりの階段上がった2階たがら、後から来て」
それだけ行って先に行ってしまった。
「ちょ、歌穂っ!?」
あたしが呼んだのも虚しく、ほっていかれた。

