小沢くんが前より喋ってくれるようになったことが嬉しすぎる。




「小沢くん……ありがとう……」




「あ?何か言ったか?」




「うぅん……何もないよ」



「変な奴……」




そんなことしているうちに、あたしの家の前まで来てしまった。




「小沢くん、ここあたしん家なんだけど、小沢くんのお家はまだ先なの?」




「俺ん家は向こう。」




小沢くんが指差したのは全く真逆の方向だった。




「小沢くんじゃあどうしてここまで?小沢くんのお家通り過ぎちゃってるよね?」




「暗いから、お前を家まで送った。」




え?家まで送ったって………




「はわわ///ごめんね小沢くん!!わざわざ送ってもらっちゃって……」




「気にすんな、俺が送りたかっただけだ………」




俺が送りたかっただけ…………




「小沢くん!!ありがとうっ」




「………」




その時、小沢くんの顔が少し赤く見えたのは目の錯覚だよね。