「過保護な感じが」
「ウチは過保護じゃねぇよ」
「じゃあ世話焼き」
「キョウダイ思いな感じが、でしょ」
雄楽をおちょくる涼希を涼姫が軽く叩いて窘める。
「確かに、藍楽ちゃんが言うような陥れようって雰囲気は無かったけど……」
「会長の座を狙ってんなら、わざわざ探しに来なくてもイイだろうしな」
「優しい顔しといて突き落とすんだろ。趣味悪いったらないね」
「おまえには言われたくないだろな」
再びお弁当に手をつけながら、三人は思い思いの豹の印象を口にしていく。
そうして順次お弁当をたいらげていった頃。
「そういえば肝心なこと藍楽ちゃんに言いそびれちゃった」
「なに? 高梨兄弟関連?」
「高梨くんたちの家って古い財閥ってだけあって厳しいらしいんだ」
「そういや……テストの順位いつも高いよな。アイツら」
「跡継ぎとして色々言われてんのかもしんないね~。ボンボンも大変だな」
涼姫の付け加えた高梨家の事情に、口々に呟きながらお弁当箱を片付けていった。

