「10人に断られたら潔く会長を辞めて、豹に任せようと思ってる。その方が上手く……」
「ダメダメ! それじゃあ意味無いでしょうが!」
「アイタッ!」
「結局副会長に任せたら何にも変わって無いでしょ! そのままじゃずっとずっと副会長に助けられるコトになりますよ!」
「……高原さん」
ウジウジと背中を丸めた巨大だんごむしに見兼ねた藍楽は思わず立ち上がり、脳天に力一杯チョップをかました。
手間のかかる男前たちに説教を垂れてしまう定めなのか……。
一度口火を切ると勢いは止まらず。
「せっかく推薦してくれた先輩にも顔向け出来ないでしょ! だったら10人目を作らないように頑張ってください!」
啖呵を切った藍楽を脳天を押さえながら見上げる龍は、
「そこまで言うなら、高原さん……ウチに入ってくれるんだよね?」
「……はっ?」
「だって……その10人目が高原さんだもん」
「ゲッ…………」
ニパッと無添加の笑顔で見つめていた。

