皇楽は雄楽や藍楽に負担をかけない為にサッカーを辞め、家事全般を担った。
その気持ちを汲んだ雄楽がサッカーを続けることで、藍楽にも部活や委員会をしてもイイんだという道標を作った。
だから敢えて自分も委員会に入り、手伝いと両立しようと決めたのだ。
手伝いに専念することで皇楽を助けても、誰も喜ばないことを藍楽は知っていたから。
思わぬ共通点に共感を覚えかけていたのも束の間。
「確かに……豹に認めて貰いたかったんだけど、こんな誰も続かない生徒会なんて、逆に呆れられてると思う……」
「はぁ?」
「だって……9人も辞めていくなんて前代未聞だって……」
「ちょっと! だからって半ベソかいててどうするんですか!」
膝を抱えて長身を縮こまらせた龍は、さっきまで鼻を膨らませてたとは思えない暗い顔付きでしょぼくれ始める。
反射的にその背中を叩きながら、藍楽は龍に感じた共感を即座に頭の中で取り消した。

