3年の教室に遊びに行く予定が潰れて不満げな藍楽の隣で、
「どういうワケだか僕が生徒会長になってから全然人が続かなくて……」
「…………」
藍楽に貰ったお菓子をポリポリと食べながら愚痴る龍が盛大な溜め息をついている。
待ち伏せに勧誘の次は愚痴……。
何が悲しくて初対面同然の人間にここまで付き合わなきゃいけないのか。
「それって先輩がこんなだからガッカリされたんじゃないですか?」
わざと嫌味っぽく言い放った藍楽がチラリと横目に龍の顔色を窺う。
ポリポリというスナックをかじる音が止み、
「うーん……それは豹に注意されてたから気をつけてたんだけど」
やっぱりバレちゃってたのかな~。
なんて腕組みをして唸り始めた龍に、藍楽はちょっと拍子抜けした。
自分が頼りないってことを自覚してんだ……意外。
そう思ったと同時に、無自覚に不器用な我が家の男前たちがチラッと脳裏を過ぎる。
足して2で割れれば丁度イイのに、なんてどうしようも無いことを思ってまた溜め息が出た。

