ラブ・シンドローム




「??夏実?」

私が不機嫌なのがわかったのか、不思議そうに直哉が言う。


「お弁当。忘れてた!」


ぶっきらぼうに答える私に、直哉は怪訝そうな顔をする。


「つーか、何かあった?その顔…」


「うるさいなぁ。ほっといてよ。あんたの、恋の相手ってさっき話しかけてた可愛い子?幸せそうでなによりだわ」


どうしてこんなにイライラするんだろう。

自分でも、よくわからない。



「夏実?なんで怒ってるの?俺、何かした?」


「うるさい。あんたが、女の子と仲良いからじゃん」


「え…?」


思わず、言ってしまった台詞にびっくりしたのは私の方だ。

何を言っているんだ、何を。