私の家は彼の向かいにあるマンションの3階。

両親は仕事で海外に行ってて3年程帰ってきていない。
でも、私は寂しいなんて思わない。
余計な事を言われないから1日中彼を見ていられる。

家について、私はジャンバーを脱いだ。
その後ジャンバーを脱いだ時と同じように自然な動作で近くにある双眼鏡を手に取り、彼の部屋を見る。

そして、彼が夕食を作り始めたのを見てから私も彼と同じものを作る。

一緒に食べ初めた。

途中何度も

━美味しい?━

って聞くのに彼は何も答えてくれない。
もしかして美味しくないのかしら。
私は彼の愛情がたっぷり詰まっているからとても美味しいのに。
明日から毎日彼の為にご飯、作ろうかしら?

夕食も食べ終わり、仲良くお皿を洗ってから一緒にお風呂に入る。

彼と一緒に見てるような気がしてちょっと恥ずかしい。
彼より10分早く上がって髪を乾かす。

その後、私のホットミルクと彼の好きなコーヒーを淹れて彼を待つ。

遅い。

いつもは21時30分までには上がってくるのに今はもう21時33分。
もしかして溺れてる?!

そうだとしたら早く助けに行かなくちゃ!!
私はジャンバーを持って家を出ようとした。

その時、彼が上がってきた。

━無事でよかった━

安心して私はその場に座り込む所だった。

━あ、そうだ。コーヒー渡さなくちゃ。━

座り込もうとしたのをやめて私はテーブルにあるコーヒーを手に取った。

━はい。コーヒー。ちょっと冷めちゃったけど猫舌のあなたなら飲みやすいわ。━

私は窓際にコーヒーを置いた。

━もう、吃驚させないでよ。私心臓止まるかと思ったわ。あら?何だか今日のミルクは美味しいわね。きっとあなたが無事で安心したんだわ。━

━ねぇ、よそ見しながら飲むとこぼすわよ。フフッほら、やっぱりこぼした。何回も言ってるのに聞かないから。大丈夫?熱くない?そう。なら良かったわ。━