「この前飛行機の事故あったでしょ。」
「うん?」
「その時、ほら、カウボーイは一番に脱出方法を編み出して生き残りの計算を瞬時にするのよ。これがカウボーイの凄さよ。」
「それが役に立つのはいつなんだ?」
ジョセフがおどおどして聞いたら
「そこにのっていたのは俺だよ。乗客の殆どは死んだ。俺は助かったよ。ただ頭を強く打って頭蓋骨を粉砕したがね。」「ジョセフ!いかないで。」
急にマリアがジョセフを呼び止めた。
「まぁ、来ないなら子猫ちゃんの面倒でも見ておいで。」
「その状況認識能力ってのがないと何か困るのか?」
「さぁね。俺は行くよ。」
「カウボーイは絶対死なないのよ。」
「絶対死なない…。そう断言出来るのは?」
「私はずっと一緒にいるからわかるのよ。」
「おい、カウボーイ。行くよ。」ジョセフはカウボーイについていくことにした。
森の茂みを歩き始めて直ぐにカウボーイが口を開く
「なぁ、ジョセフ。君も気付いてるんだろ?」
「な…何を?」
「僕が犯人だと思ってんだろ。 」
「…」
ジョセフは自分達が事件のことを知っているのをバレたようで途端に焦りだした。
「心配するな。俺達は犯人じゃない。そんなことよりさっき二人組の人影を見た。」
「何?」
その時だった
ジョセフだけに見える木々の隙間から二人組が灯りを灯して何かをしている。
「お…おいカウボーイ」
声をかけても
カウボーイはどんどん茂みに入り見失った。
ジョセフは鹿狩りの斧で身を守りながら二人組をじっと見つめていた。
「おい。」
急に呼ばれたジョセフは思わず斧を振りかざし襲いかかった。
「誰だぁ!」
「俺だよ!」