ダッダッダッ
森の茂みからジョセフが姿を表した。
「おい、マリア!マリア!」
強い口調だが誰にも聞こえないようにマリアを呼んだ
「なに?木々持ってないじゃない」
「それよりこっちに来てくれ」
徐にジョセフはマリアに携帯を見せた。携帯には今朝記されたばかりの生々しい記事と犯人の写真が報じられた。真っ暗闇の中、誰かが撮影したのか、あまり誰が犯人かは見えない。しかし顎髭を生やした男と金髪の女がそこに映っていた。