でも、玲奈のことを考えないようにしようと思えば思うほど、玲奈のことが頭を占める。 「…翔くん?」 「…………」 「翔くん!」 「…えっ?あ、何!?」 大きな声で名前を呼ばれ、ハッと我に返る。 「最近、ずっと上の空ですね」 「そう、かな…」 誤魔化すように微笑み、気持ちを切り替え、車の運転に集中する。