俺が恋したお嬢様




学校は同じ学園の中等部と高等部なので、一緒に車で送迎してもらうことになっていた。


学校の校門に着き、車から降りると何人かの生徒がこちらを見ていた。


そりゃあ俺の後ろから雪乃ちゃんが降りて来たらびっくりするよな…。



この学園は俺の親父が理事長を務めている。


そんな理事長の息子といたら、雪乃ちゃんは注目されるに決まっている。



「雪乃ちゃん」


「…はい」


「俺たちが婚約することはまだ内緒にしときましょう?」


本当に婚約するなら、正式に発表しないと雪乃ちゃんが悪く言われるかもしれない。


雪乃ちゃんは何も言わず、コクリと頷いた。