「今日は楽しかったです」 「俺も。雪乃、面白いし可愛いし」 ニコッと微笑むと雪乃はまた顔を赤くした。 水族館の前にある海は夕陽が沈みかけていて、オレンジ色をしている。 そんな砂浜を手を繋いでゆっくり歩く。 「雪乃」 「はい」 俺は立ち止まり、雪乃も足を止め、不思議そうに見つめてくる。 「どっちがいい?」 そう言って両手をグーにして差し出した。