君をたべたら




…きっと、とびきり美味しいだろうな。









ふんわり甘くて


とろけるだうな。










俺が君をたべるとき







そのかわいい顔を





一体どんなふうに
歪めるんだろう?







あぁ、…待ちきれない。













狼は赤ずきんの
耳に飾ったリンドウから










そっと手を離して










そして…その手をそのまま








その柔らかい頬に
触れさせようとした。










「…狼さん。」











手がピタリと止まる。












「ー…なんだい、赤ずきん。」











もどかしさでイライラしながら



低く出てしまいそうな声を
少し明るくして答える。











「…わたしはもしかしたら
病気かもしれないわ。







…だってあなたが傍にいるだけで
体が火照るの。…熱があるのかもしれないわ。




それだけじゃないの。













あなたを思うだけで
ドキドキが止まらなくて



めまいがしてしまいそうなくらい。








息が…苦しくなるの。







そのくせ、狼さんに会えない日は
何をしても上手くいかない。





きっと何かの病気なんだわ。」





触れようと近づけた手を

下ろした。