―――…
そして昼休みが終わり、
5限目。数学。
教科書を忘れたっていう中津ハルト。
「教科書見せてっ」
って机をくっつけてきたんだけど
まったくもって
勉強する気ゼロ。
それどころか
居眠りする始末。
寝顔を見るなんて
我ながら趣味悪いと思うけど
ホント、ムカつくくらい
整った顔してる。
きれいに通った鼻筋
閉じててもわかる大きな目
長い睫毛
色気のある、ふっくらした唇
形のいい眉毛
ほどよく焼けた肌
無造作に整えられた、アッシュブラウンの髪の毛が
目元にかかって、
邪魔そうに顔をしかめてたから、
それを直してあげようとして、やめた。
こんな奴にドキドキしてしまっている
自分が居ることに
気付いてしまったから。
........アタシが好きなのは、ヒロキ君なんだから....
って自分に言い聞かせて
机に突っ伏した。
