ドアが、閉まり向こうから恵美の泣き声が聞こえてきた。 「そっか。俺恵美のこと…」 大切になってたんだ、いつの間にか。だから繋ぎ止めて居たかったのに…あっさりと自分で手を離した。 優斗の変わりにしか俺はならなかったけど。幾ら俺が恵美を想って歌っても届かない声。 …それすら知ってて俺は歌ってたのかな? 「幸せに、な」 君が何時も向かうのが優斗の所なら、それだけしか今は言えない。 ―…もう話しかける理由も、無い。