「やめねーよ」 いつもより冷たい声。あたしは抵抗するしかなかった。 「ん・・・」 耳を噛まれる。変な感覚が体中を巡る。 「・・・わざと言わねえの?」 「ち、ちがっ」 意地悪な光輝にどうしていいかわからなくなって瞼を強く閉じた。 その瞬間。聞きなれた着うたが流れた。 「あ・・・ケータイ」 すると何を思ったか、光輝はあたしから退くと机にあったそれを手に取った。 「こ、光輝!返して!」 これ、着信だよ。どうする気・・・? すると、「もしもし」と電話に出た。 「ちょ、ちょっと!」