いつも通り、いつもと変わらない、放課後の渡り廊下

ふと、人影が見える

「・・・黒瀬くん?」

あ、・・・不運、としか言えない




「幸人くん!!好きなの、付き合って!!」

だ、だって告白現場に遭遇しちゃいました・・・

告白してるのは・・・えっと、藤間さん?

綺麗だな・・・清楚系の人で美人って有名だもん・・・っ!!



そんな事を、思ってるうちに黒瀬くんが口を開く

「ごめん、付き合えない」

「なんで・・・?彼女、居ないんだよね!!??」

「あ、あぁ・・・」

ちくん、と胸が痛む

あれ?私、彼女じゃないの・・・かな?


「やだ・・・っ!!」

ぎゅっと、藤間さんが黒瀬くんに抱きつく

「っ・・・離せ」

「やだっ!!付き合ってくれるまで離さない!!」

「はぁ・・・」

藤間さんは黒瀬くんから離れようとしない

でも、黒瀬くんも告白をOKする気はないみたい、だ

そんな様子を察したのか

藤間さんは、信じられない行動をとった

ちゅっと小さな音が漏れる

「っ!!!?」

「今日はこれで諦めて帰るよ、でも次は付き合ってもらうから、ね?」

そう言って藤間さんは帰った、

・・・藤間さんは、

黒瀬くんにキスをしたんだ・・・

ズキン、と胸がまた痛くなる

そんな信じたくない光景をただ、

私は見ていただけだった