「あ、来たみたいだよ?」
桜花ちゃんの指差す方向を見ると階段を昇ってくる大輝が見えた。
「ワリー。遅れた」
「人に遅いって言っといてあんたが一番最後にきてんじゃない!!」
「しょーがねーだろ?」
「まぁまぁ。早く行こうよ?ね?」
「寒いから早く電車乗ろ」
二人は何もそういうと改札口まで歩み寄った。
「「ちょっと待って!切符買うから!」」
ほぼ同時に同じ言葉を放ったあたしと大輝。
つか、二人ともパスモと定期券だからいいかも知んないけどあたしら切符なんだ?
「切符買うまでそこで待ってて」
あたしは不安な手つきで切符を買った。
あたしはバスと電車に乗る機会があまりないせいで切符の買い方が曖昧だった。
「えっと…これでいいんだよ…ね?」
なんて独り言を言いながら切符を買い、皆の元へ近寄った。
「んじゃいこっか!」
ちょっと早足で電車のところに向かうあたしたち。
なんか一人珍しい人がいるからか変な気分だな。

