あたしはベッドから出ると、とりあえずジャージを探す事にした。

何処に置いたのかさえ覚えてないし、最後に着たのは何時かも思い出せない。


っ!!早くも痴呆か!



そんな訳ない。

だって山口が言ってたもん。


あたしは華の女子高生。






そんな華の女子高生が、朝から学校指定のジャージ姿でメロンパンとビタミン17を買う。

コンビニ袋をブラブラさせながら、平日とは違い人気の少ない住宅街を歩いた。


せっかくの土曜日なのに学校に行かなきゃいけないのは、山口に『来い。』と言われたから。


・・・今日が体育祭だから。





学校に着くと教室には寄らず屋上へ向かった。

グラウンドに生徒が集まってるのか騒がしい。暫くすると、体育祭実行委員長と校長の挨拶が聞こえた。


体育祭が始まった。



面倒臭い事に必ず1種目は出なきゃいけない。


去年は何に出たっけ?



思い出せるはずがない。

だって去年は体育祭に出てないし、出場種目を決めるLHRにも出てない。

今年も出ない。何に出るのか知らない。

例え出なきゃいけなくても、あたしが居なければ代役が出るだろう。



そんな考えは甘かったみたいだ。