恋愛妄想

久し振りに美容院に行った。
髪を切り過ぎた。
そんなつもりはなかったので
あたしは不機嫌だった。

「生田先輩、髪切ったんですね」
後輩OLが朝一番で気付く。
「こんだけ切っても気付かない人もいるのにねぇ」
と、あたしは高田君を見た。

高田君は おもむろにハッとして、
「ああ、切ったんだ…」
と小さな声で呟く。

そのまま給湯室に行くと、高田君が来た。

「髪、切ったんですね」
「ここまで切るつもりはなかったんですけどね」

沈黙。

「あの…」
「はい?」
「怒って…る?」
「なんで」
あたしはコーヒーメーカーをドリップしながら
敢えて高田君を見なかった。
「あの…髪を切ったの…気付かなかったから…」
「あたくし、そんなちっさい人間じゃありません」
高田君は、気まずそうに笑うと給湯室から出て行った。

あ
今の
意地悪
だった
かも

あたしはまた反省した。

そういえばもうすぐで
高田君の誕生日だから
ケーキでも焼いてみよう。

でも手作りって引くかなぁ…
でも…
ああ、どうしよう…