そんな甘いチョコレートは食べられない





先輩はそのままラッピングを解いていく



あっ……
ポケットには10円で買える小さなチョコレートが1つ入っていた



「何食べてるの?」


「ビターチョコレートです。わたしあんまり甘いものは食べられないので」


「ふーん」


先輩はチョコを1つ摘まんで口へ運ぶ


「どうですか?」


「……甘い」


「それがチョコレートです」


「…こんな甘いチョコレートは食べられない」


「えっ……ん…」


ショックを受ける隙もなく感じた唇の温もり

間近には先輩の顔