そんな甘いチョコレートは食べられない




「イトコ!?」


「そーだって」


「だ、だってチョコ貰って…」


「チョコ?……あぁ、兄貴にだよ」


「お兄さん?」


「あいつ兄貴のこと好きだから渡してくれって頼まれたんだ」


そ、そんな……
じゃあ全部わたしの勘違いで…

うわー!
恥ずかしいっ

穴があったら入りたいよー…



顔をおさえてしゃがみこんだわたしに先輩は優しい声を降らせる



「で……チョコ、くれるの?」


わたしはポケットからおずおずと箱を取り出し先輩に差し出す



「召し上がれっ」


「ありがと」


その時の先輩の笑顔はとろけるくらいに甘かった