「あーみ?」
「き、さき……」
振り返るとそこには親友の姿があって
わたしの顔をみて大きな目をさらに大きく開かれる
「どうしたの?チョコ渡しに行ったんじゃ……」
「うぅ…妃ぃー…」
抱きついてぼろぼろと涙を流す
「おーい、妃……って、うわっ!なんで泣いてんだよ亜澄!」
「ゆー…空気」
「あっ、ごめん」
妃に怒られてしゅんとなった祐記君はいつもなら爆笑だけど今はそんな余裕はない
「きさっ、き、わたし…うっ……」
妃は背中を優しく撫でてくれて
わたしの涙が止まるまで待っててくれて
ちょっと落ち着いた


