顔をめがけて重いパンチがマフィアのボスの体を襲う
壁に叩きつけられなおも激しく殴りつける…
歯は折れ、瞼からは出血した
言葉は何もなかった
一方的なその現状はもはや端から見たら弱い者いじめでしかなかった
やがて動かなくなるまで殴り続けたその時だった
五右衛門は息を荒げ立ち尽くす社長が泣いていることに気がついた
社長はこいつ個人に対しては大きな憎しみは抱いてはいない…だったら始めから頭を銃で撃ち抜けばいいのに、拳で殴り続けたのは八つ当たりに近かったのだろう
「ちくしょー……バンッ…」
そして引き金を引き、銃声は何度も鳴り響いた
反響する音の真ん中で無残に人の形をかろうじて留めたマフィアのボスの死体だけがその場に残ったのだった…
