夜の風を遮るように車のエンジンをかけた
そして窓を開け、また社長はポケットから煙草を取り出し火をつけた。
「シェラ、明日はジャックの代わりに為助と為成をサポートにまわす。」
「多分今までの依頼の中で一番今回は危険な任務だ…生きて無事に帰ってこいよな。」
生きて帰る…
…帰る場所が私にはある、待っていてくれる人もいる、もう一度会いたい人もいる
私には生きる理由がたくさんできていた…
「大丈夫です。私は死なない人間ですから。心配しないでください」
そう言うと社長は少し鼻で笑っていた。
そして、煙草を消し車を走らせた。今日は事件のせいなのか道が渋滞している。事務所に着くのが随分時間がかかってしまった。
