「離してっ…」
ブンと腕を振り払って運動場を後にした。
「佐伯!前田!」
先生が大声で呼んでいた。
「みっきー…美月」
「かえ…で」
ポタポタと涙が溢れた。
「セクハラ?…って、この傷…どうしたの」
かわいそうという眼だ。
「ごめん楓。一人にして」
ぎゅうとジャージを突き返した。
何もかも。
嫌だ。
足はやっぱり屋上に向かう。
こんな傷だらけの腕を見て
何を思ったんだろう…。
楓も離れていっちゃうのかな…。
楓が呼びに来てくれた時
ちょっとでも…ほんの少しでも
教室のメンバーに
溶け込めたら…
いいなと思った。
だけど、
無理だよ。
みんな引いちゃう。
楽しそうにバレーボールをしている生徒。
バカみたいとしか思ってなかった。
今は、羨ましく思えた。
「いだっ…」
後ろから投げられたボールが当たった。
「先っ…せぇ」
泣いてばかりだと
分かってるのに
涙は溢れる
「不細工」
そっと涙を拭ってくれた。


