禁断の恋の意味が違った。

兄妹の恋って意味だったんだ。


「何で言ったの!」

「コイツは勘がいい…バレる」

怒る楓に対して冷静な先生。

言われてみると似てるようには思えない。

「颯…先生できなくなっちゃうよ?」

泣きそうな眼をした楓。

「誰かに言ったりしないから…」

「ありが…ど、みづぎ」

「泣かないでいいから」

ハンカチを渡し、素直に泣ける楓が羨ましく思えた。

「楓みたいに…」

「どうしたの?」

「ううん…何でもない」

過去にとらわれて、人の視線を気にしてばかりの私。

いつしか人と関わる事が恐くなった。

「颯と上手くやったげて…ね?」

にっこりと無邪気に笑う楓に私は何も言えなかった。