『灼熱の軍団』による地球への侵攻については、各惑星の王達へ連絡がいった。



ー月の国ー



人々が活気に溢れ、緑豊かな月の国。
普段は平和なこの国だが、今は地球からの救援要請を受け、王宮は騒がしい。


「…なんだと!?」


将軍から知らせを受け、王の声が謁見室に響く。


「どうしたのですか?お父様。」


王の叫び声が聞こえ、月の国の姫であるセリニが心配そうに謁見室へと入ってきた。


「おぉ、セリニか。
実は、太陽の国の女王であるシェリエが『灼熱の軍団』と名乗り、地球への侵略を開始したらしい。たった今、地球から救援要請があってな…。」

「なんですって!?でしたら、すぐに地球へ向かわなければ!!」

「そうしたいのは山々なのだが…。今、我が国が人手不足なのはおまえも知っているだろう?」


月の国では、一年程前、他惑星からの侵略を受け、戦争が勃発したのだ。
今では平和を取り戻したが、人々は一丸となって復旧作業が行われている。


「だからって、見捨てるのですか!?」

「そういうわけではないが…。」


姫の言葉に、王は返答に困っていた。