砂漠が広がる太陽の国――。

辺りを見渡せば人はおろか、草木も生えていない。
あるのは、砂漠の女王が統べる王宮のみ。


「あれが地球…。」


王宮の玉座に座り、太陽の女王・シェリエがモニターへと映し出される地球を見つめ呟く。


「見るからに美しく、嫌な星だわ。気に入らないわね。」

「左様でございます。」


彼女に同意するのは、彼女の側近であるルーチェ。


「ねぇ、ルーチェ。アリダ。あの星を、この国のように私好みにカラカラにしてやろうと思うの。」

「それはいい考えでがんすね!!」

もう一人の側近であるアリダは、楽しそうに両手を叩いている。


「そうと決まれば、早速地球へと向かうわ。お前達、行くわよ!!」

「御意…。」

「ヘイッ!!」


シェリエは玉座から立ち上がり、マントを翻し、カツカツと足音をたて歩きだす。
彼女が向かった先は、宇宙船がある格納庫。


「見ていなさい、地球人共!!オーホッホッホ―!!」


宇宙船へと乗り込み、彼女は甲高い笑い声をあげた。





こうして、太陽の女王・シェリエ率いる『灼熱の軍団』が、地球への侵略を開始したのだった――